「お客様をつくる」

「棚づくり」ってお客様づくりだなぁ、って思います。

今、勤務している書店では語学書・洋書を担当しています。相方が素晴らしい人で、洋書の1点1点に手作りPOPや帯をつけてくれています。その効果もあってか、ファンがついてくれています。洋書はなかなか新刊を常に入れ替えることが難しいですが、古い本でも掘り返してロングセラーにしたりしています。

「学習者が手軽に読めるような洋書棚にしたい」と思い、ヤングアダルト向けの洋書を増やしました。大体、英検準2級〜2級くらいの実力があれば読めるタイトルが多いです。ヤングアダルト向けの作品は、話も感動的なものが多く、身近に感じられやすいです。特にオススメの作品は大きく展開しました。もちろん相方の素晴らしいPOP付きで。これが良かったのか、小さな棚なのに累計で二桁売れるようなタイトルも何点か出せました。

特徴的なのは、もう何年も同じ場所で売れ続けているタイトルがあると言うことです。累計で400冊ほど売っています。書店では、常に本を入れ替えることが常識です。新刊書店なら尚更です。いつも同じ本だと飽きられますからね。洋書は少し特殊だとしても、この現象は不思議です。これは何を意味しているのでしょうか。

きっと、お客様の方が、常に入れ替わっているのだと思います。英検準2級〜2級くらいだと受験者や合格者数も一番多いです。このくらいのレベル層は比較的短いサイクルで入れ替わります。もっと、上のレベルの行く人、新たに3級くらいから上がってくる人、って言う具合に。私の店の洋書売り場は外国人ではなく、学習者をメインターゲットとしています。彼らにとっては常に新しい棚なのだと思うのです。だから、いつまでも同じ場所で同じ本が売れていく。

ペーパーバックと呼ばれる洋書の中でも、ヤングアダルトが半分を占めていると言うこと。これはなかなか特徴的だと思います。日本人読者に合わせて読みやすい洋書を提案していくれている。多読が英語学習の効果的であることは、よく知られています。

「学習者が手軽に読めるような洋書棚」を目指して作ると、その通りのお客様がきてくださる。「棚づくりはお客様づくり」この言葉を意識して、これからも棚づくりをしていきたいです。

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